陸軍鉄道大隊 E18型機関車
所在 練馬区豊玉北 1
収録遺構 (1) その他 1
実地調査 2020年 3月
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鉄道大隊は、日清戦争で問題となった物資類の輸送を、馬から鉄道に移行することで飛躍的に向上させることを目的として1896年(明治29)の軍政改変で市ヶ谷の陸軍士官学校内に創設されました。開設当初は鉄道 2中隊と電信 1中隊・材料廠で構成され、この翌年には中野に兵営が新設されました。その後に起きた義和団事変や日露戦争では、鉄道の修復や砲弾の輸送などを行って大きな実績を出し、鉄道隊が戦地で必要不可欠であることが認められ、近衛師団に隷属する交通兵旅団傘下となり、それまでの 1大隊から 3大隊に拡張し鉄道連隊に昇格しましたが敷地が手狭になったことから千葉県の習志野へ兵営を移転させました。
練馬区に兵営はおかれませんでしたが、大隊で使用した E18型機関車が豊玉北地区の住宅地に移設保存されています。
E18型機関車は 戦地での輸送力の拡大を目的にドイツのコッペル社から1921年(大正10)に輸入された25両の蒸気機関車のうちの 1つで、終戦当時は千葉市の材料廠(千葉陸軍兵器補給廠)に留置されていました。その後は西武鉄道に引き取られて入間川の砂利の採取に使われたのちに所沢市のユネスコ村で展示保存されましたが、展示場所を失ったために外観の修復工事を行いこの地に移されたそうです。
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