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 奈良県奈良市の軍事遺跡一覧 収録遺構数:22 


 陸軍第十六師団
 歩兵第五十三連隊

 (歩兵第三十八連隊,
  歩兵第一五三連隊,
  岐阜陸軍航空整備学校
  奈良教育隊,
  陸軍第四航空教育団
  奈良航空教育隊)


 所在
  奈良市高畑町 ほか

 収録遺構 (13)
  建物 4,
  門柱 1,
  軍用地境界塀 1,
  軍用地境界標 1,
  その他 6

 実地調査
  2007年 12月

  
2007年時点の詳細をご紹介します







歩兵第五十三連隊は、京都市に兵営がおかれた陸軍第十六師団の隷下部隊で1909年(明治42) 3月に開設され高畑町に兵営がおかれました。その10年後にあたる1919年(大正 8)に満州へ出征し、寛城子事件に関与して21名が戦死しています。のち、連隊は1925年(大正14)の軍縮整理により廃止されました。

同年、軍縮整理により廃止された歩兵第五十三連隊の兵営に、それまでは京都に展開していた歩兵第三十八連隊が移りました。この部隊も、1936年(昭和11)以降に満州や中国へ出征して多数の戦死者を出し1944年(昭和19)年 7月にグアム島で玉砕し壮絶な最期を遂げています。

歩兵第三十八連隊が満州に出征し留守となった兵営には1941年(昭和16)年 7月に編成された歩兵第一五三連隊が続いて展開しました。のち朝鮮に出征し、激しい戦闘に関与していますが敗退しています。

歩兵第一五三連隊が出征すると、少年飛行兵の拡充にともない航空兵器の整備に関する教育を行った岐阜陸軍航空整備学校の分校が設置されましたが、太平洋戦争の戦局悪化により軍隊化されて編制された第四航空教育団の傘下に入り少年飛行兵の教育にあたりました。

現在、これらの跡地は奈良教育大学などになり当時の遺構が残っています。



 陸軍京都憲兵隊
 奈良憲兵分隊

 (陸軍中部憲兵隊司令部
  奈良憲兵隊)


 所在
  奈良市高畑町

 収録遺構 (1)
  軍用地境界塀 1

 実地調査
  2014年 12月






奈良憲兵分隊は、奈良市に歩兵第五十三連隊をはじめとする部隊が展開したことで設置され、京都憲兵隊に隷属しました。

憲兵とは軍事警察官のことで、軍の内部情報や情勢などが外部に漏洩しないように取り締まる役割を持ち、著作物の検閲や国民の言動・思想などに目を光らせていました。

現在、跡地は自衛隊官舎や住宅地などになっていますが、敷地の北東端付近に軍用地境界塀が
 1箇所だけ残存しています。

 奈良陸軍衛戍病院

 所在
  奈良市高畑町

 収録遺構 (1)
  門柱(消失) 1

 実地調査
  2007年 12月






奈良衛戍病院は、奈良市周辺に展開した部隊の負傷兵を収容する陸軍病院として歩兵第五十三連隊の敷地に隣接する形で設置されました。

現在、敷地跡地は高畑合同宿舎や住宅地などに変遷し、敷地の西端付近にあたる場所に門柱が
 1本だけ残っていましたが残念ながら破壊され遺構は皆無になりました・・・

 奈良陸軍埋葬地


 所在
  奈良市古市町

 収録遺構 (7)
  門柱 1,
  軍用地境界標 4,
  その他 1,
  墓標様

 実地調査
  2014年 12月

  2014年時点の詳細をご紹介します


奈良陸軍埋葬地は、奈良市内に展開した部隊の戦没者や戦病没者が埋葬されている陸軍墓地で兵営から南へ少し離れた場所におかれました。

埋葬地の敷地面積は5,649平米で現在は将兵の墓標様のほかに満州事変戦没者合同墓碑などがおかれています。

このほか、埋葬地の遺構として軍用地境界標や門柱などが残っており見学が可能です。

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